◎連帯保証人にかかる法改正の背景
平成に入ってしばらくして、「商工ローン」のニュースが話題になったことがありましたね。
当時、中小企業経営者が会社への「商工ローン」による融資の申込みにあたり、めぼしい資産がない場合、個人保証を求められるのは普通にあったことでした。
問題なのは、その利率が非常に高かったことだけではなく、その返済の督促が苛烈を極め、さらには返済不能の場合に自分の生命保険で支払うという悲惨な例が頻繁にあったことでした。
個人の借金などの場合でも、契約上保証人を求められるケースは多々あり、その場合、親戚や知人などが保証人になることを頼まれたケースも多くありました。
ただ、人間関係(義理や人情)を重んじすぎたばかりに、リスクの判断を十分にしないままサインしてしまい、結果的に保証人の方が返済不能に陥るなど生活破綻に追い込まれるケースもあったのです。
こういった社会的な背景の中、保証人を保護する必要性が叫ばれ、数度にわたる法改正が行われました。
◎連帯保証人の保護
まずは2004(平成16)年に、「貸金等債務」の保証に関し民法改正がなされ、その後の2017(平成29)年の民法債権編の大改正に伴い、その他の保証契約にも新たな規制がなされるようになったのです。
その一例として「極度額の定め」の新設(民法465条の2)があります。
個人が、不動産の賃貸借のような継続的取引の保証をする「根保証」(ねほしょう)をする場合、
「主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるもののすべてのもの」だけでなく、
「保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額」の「全部にかかる極度額」を定めなければ、根保証契約は「その効力を生じない」とされたわけです(同条1項・2項)。
つまり、個人の連帯保証人が負うべき保証額の「限界」を設定しないと契約は無効になるという形で保証人を保護するともに、リスクの判断をしやすくすることが目指された、ということでした。
◎連帯保証の「相続」
連帯保証も、一身専属的な権利義務とはみなされないようで、基本的に相続財産(負の財産)として対象になってしまいます(同896条)。
しかし、連帯保証人の就任には、前述のとおり債務者との個人的な信頼関係等が基礎になっている場合が多く、契約上「元本の確定事由」にはなる場合があります。少なくとも、個人根保証契約では「元本の確定事由」となる旨、定められています(同465条1項3号)。
ただ、それは相続開始時点で契約条項等の内容をきちんと確認したうえで判断すべきことでしょう。
ですから、相続開始してから3か月の熟慮期間にどのような対処をするかを慎重に決めることが大事です。
なお、遺産分割協議をして法定相続分と異なる相続をした場合でも、対外的にはその旨を主張できないのが原則(金融機関側の同意を得るなどが必要)ですから、その点も注意が必要になると考えます。







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