改葬と墓じまいー相続考4

 かつて職場の先輩に、夫婦とも長子のため、
毎回、親族一同を引き連れて墓参りに行っていたが、年々大変になってしまい、
近くの納骨堂に「改葬」したいが、どうしたらよいのか、と聞かれたことがありました。
 とりわけ、奥様の実家のお墓がかなり遠方であることと、親族の方々が高齢になって、
長く歩くのが大変になったから、ということだったと思います。
 かつてその仕事をしていたので、大まかな手順を説明申し上げたところです。

〇申請先は、戸籍係
 改葬許可の申請先は、各自治体の戸籍の窓口です。
 死亡届を受理し、埋火葬許可証及び火葬場使用許可証を発行する窓口なので、
その関連からなのだろうと思います。

「墓地、埋葬等に関する法律」では、その第5条2項で、
改葬許可について、「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なう」とされていて、
墓地や霊園の所在地の市区町村長が「改葬許可証」を発行することとなっています。
 
 申請の仕方は、各市町村の書式(改葬許可申請書)を用いるとともに、
申請者および墓地管理者双方が申請(記名・押印)することとなっていて、
添付書類として、改葬先霊園等の「受入証明書」(永代使用許可証の写しでも可)が必要、ということになっています。

 この申請は郵送不可のところがほとんどなので、窓口に出向いてもらって申請を行う必要があったほか、
〇霊園に事前に話をして、申請書の作成を依頼(申請書にはすべてのご遺骨に関して記載)

〇改葬先の納骨堂等にも書類作成(受入証明書など)を頼む
ことが必要です。

 この手続き以外にも、元の霊園に対して、
〇墓石の撤去や閉眼供養の段取り(当然僧侶の手配も)を決めておく
 
 墓地がお寺の場合には、
〇檀家から離れる手続きをする(離壇料が必要な場合がある)
など、面倒な手続きが必要になりますし、相当額の費用も必要になります。

〇墓じまいの仕方
 最近は、完全に「墓じまい」をする方も増えているようです。
 この場合、御遺骨をどうするのかというと、「散骨」したり「樹木葬」にしたりするのでしょう。
 いずれについても、戸籍係では詳細を把握しておりませんが、
「散骨」については改葬許可は必要ない場合もあるらしく、専門の業者に頼んで、
遺骨をお墓から取り出し、一定の区域(山や海)に撒き、残りを手元に持っておく、
という感じのようです。
「樹木葬」は、樹木を植えてその周辺にお骨を埋葬する(骨壺のままの場合と、散骨する場合がある)ようで、樹木葬ができる霊園等に詳細を確認されるとよいと思います。

 
 確かに、お墓を管理し続けること、特に、継がれる方がいない場合などは、難しい場合も多いと思われます。
 墓参りを強制することはできないし、かといって管理料を未払いのままにしたり、墓地の管理をほったらかしにしたり、というのも好ましいことではありません。
 
 改葬許可申請等の代行を専門にやっている行政書士もいるようで、場合によっては、
そこに依頼してみるのも一つの方法だと思いますね。

→相続考 5へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です