相続考3-法定相続情報証明制度とは?

 私が相続手続きを自分でした際には、戸・除籍謄本をそのまま関係機関へ提出し、それで済みました。
 でも、複数の関係機関に対しその束を何度も使うのは、途中で紛失するなどの危険性がありますし、手続きを急ぎたい場合などは、その束をいくつか用意するか返却してもらうのを待たなければならないことなど少し不便かもしれません。
 そういった懸念や不便をある程度払しょくできるのが、「法定相続情報証明制度」です。

◎ 原案の作成とその後の手続き

 「法定相続一覧図」は法務省のホームページにひな形が掲載されていて、相続人が配偶者と子2人のように少なければ、ご自分でも簡単に作成できます。
 この「原案」と戸籍等の束を管轄の法務局に持っていく(郵送でも可能)と、
「一覧図の内容が民法に定められた相続関係と合致していることを登記官が確認した上で、その一覧図に認証文を付した写しを無料で交付」(法務省のホームページより)してもらえます。

◎ 作成のメリット

 この制度のメリットは、この一覧図を一度作ってしまえば戸籍等の束を何度も使う必要はなく、この写し1枚で相続手続きが済むという点です。
 写しは複数枚もらうことも可能で、複数あれば並行して手続きもできることになります。

 私の経験ですが、書類が整っていれば、相続手続きにかかる期間は

銀行預金(窓口に持参。写しを取ってすぐに返却してもらえます)について3週間程度
株式(郵送で申請)については1月半程度
不動産(同上)については1月半~2カ月程度
で手続きが完了しました。

 相続手続きで必要な書類(印鑑証明書等)は、多くが発行後「3か月以内」のものが求められます。
 ですから、戸籍等の束による手続きでも早く進められれば1セットで何とかなるかもしれませんし、一覧図を使って並行して進めるのであれば複数のセットが必要になるわけです。
 一覧図は必ず作成しなければならないものではないと思うのですが、一度作成しておくと後の手続きがとても楽になるでしょう。
 もちろん、各申請の際に「遺産分割協議書」はほぼ必須ですし、遺産分割についての協議がまとまっていることが大前提です。

◎ 一覧図はどこでも使える?
 法務省のホームページでは、「不動産」の相続に関して、一覧図の「右肩部分に記載される、法定相続情報を識別するための番号」である「法定相続情報番号」だけで登記申請については大丈夫とされているほか、「被相続人の死亡に起因する各種年金等手続」、「被相続人との続柄について、戸籍に記載される続柄を記載いただくことで,原則として相続税の申告書の添付書類に法定相続情報一覧図をお使いいただけます。」となっています。

 ただ、他の手続きすべてで一覧図が有効かどうかについては「(自分で)相手方に確認してください」(同上)となっていたので、戸籍等の束が必要な場合があるかもしれません。
 この点については、疑義があればその都度、確認する方が良いでしょう。

◎ 相続手続きは自分でできる?

 相続手続きは、多くの場合、相続人さんが自力で行えるものです。
 でも、複雑なケースや、こういったことが苦手な方は、我々行政書士に依頼されるのも便宜だと思います。
※ただし、年金、相続税および登記申請等の行為は、社会保険労務士、税理士および司法書士等へご依頼ください。

→相続考4へ続く

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